<木場駅編>子育て世帯にはどの街がオススメ?娘2人を持つ父が「住みやすい街」を実際に歩いてみた

多くの不動産ポータルサイトでは毎年、街を評価するランキングを発表しています。しかし、高評価を得た街は、本当に住みやすい街なのでしょうか。とくに、子育て世帯でも安心して暮らせる街なのでしょうか。
 
以前から気になっていた「街ランキング」を検証するため、実際にその町に赴き、子供(6歳と7歳)と探索し、「住みやすさ」の答え合わせをしていきたいと思います。
 
ここで取り上げるのは、大東建託が2024年2月に発表した「子育て世帯の街の住みここちランキング2023<首都圏版>」です。発表された集計結果はこちら

「1位は、2年連続で東京都世田谷区に位置する奥沢です。2位は東京都中央区に位置する築地・新富町Aで、3年連続でのランクインです。築地・新富町Aは、築地・東銀座・築地市場・新富町を統合したエリアであり、「住みここち2023<首都圏版>」では3位となっています。3位は、2年連続で東京都江東区に位置する清澄白河です。トップ10内では、昨年は累計回答数が20名未満でランキング集計対象外だった東京都大田区に位置する洗足池が、新たに4位にランクインしています」
※大東建託「子育て世帯の街の住みここちランキング2023<首都圏版>」より一部抜粋

こうした街の魅力度を表すランキングはたくさんあります。しかし実際に住んでみると、ギャップを感じることは多くないでしょうか。常に上位に位置する吉祥寺や横浜といった街が、本当に住みやすい街なのかというと、例えば子育て世帯にとっては、人が多くてどこに行っても混雑しているイメージがあり、そうは感じられません。
そこでまずは、子育て世帯にとって住みやすい街とはどんな街なのかを考えるため、筆者自身が暮らしている東京メトロ東西線・木場駅から調査してみたいと思います。

チェックポイント①「エリア」

ほとんどの人に「どこにあるんだっけ?」と聞き返される、23区の中でもマイナーな駅の一つである木場駅ですが、その魅力はなんといってもアクセスが良い割にコスパが抜群なことです。

東京駅(大手町)まで東西線で7分、日本橋まで5分。遊びスポットも豊洲のららぽーとまでバスで10分。お台場も30分。ちなみに、バスと電車を乗り継げば東京ディズニーランドには30分で到着できます。
にもかかわらず、LIFULL HOME’S調べによると、中古マンション(専有面積:70m²の場合)の相場は5265万円です。

東京駅から電車で10分圏内エリアで比べてみると、九段下駅だと1億4389万円、飯田橋駅で1億493万円。また、同じ東西線の一つ前の駅である門前仲町は6478万円となっており、1駅しか違わないのに1200万円も差があります。ちなみに歩けば10分で着く距離です。
賃貸住宅の相場は、ファミリー層に人気の1LDKが15万2400円、2LDKが20万7800円、3LDKだと28万2100円です。少し高いのは、木場はまだ住宅の開発が都心ほど進んでおらず、賃貸住宅自体が少ないからかもしれません。
ちなみに、木場駅から南に10分歩いた枝川エリアは、有楽町線延伸により新駅が設置されることに決まりました。2030年後半の開業となりますが、今後ますます盛り上がるエリアになることは間違いありません。

江東区HPより

チェックポイント②「駅構内」

りそな銀行の本社があるため、8時~9時、17時~18時頃の乗降者数は多く、その時間の駅のホームは常にギュウギュウ状態なのはマイナスポイントです。
それにもかかわらずホームドアの設置がされていないため、子連れは要注意。線路側を歩かせないなど、常に周囲を確認しておく必要があります。

さらに、エレベーターは1基しかなく、ベビーカーと高齢者で常に列ができています。また、エスカレーターの数も少なく、階段だけの出口のところも半分以上あります。まだ自分で歩けない子供がいる親は苦労しそうです。

本来、こうした問題点を解決するため、木場駅の大規模改良工事が予定されておりましたが、コロナ禍で延期となり、今現在も計画は止まったままになっています。

チェックポイント③「駅周辺」

駅を出ると、永代通りと三つ目通りの交差点です。

歩道はしっかりと整備されていて幅は広いのですが、それゆえに自転車も歩道を走っていきます。うっかり子供だけで歩かせると、後ろから追い越そうとする自転車とぶつかりそうになった経験が何度もあります。そのため、なるべく手を繋いで歩いた方が安心です。

車はそこまで多くありません。ただ、木場駅から南に向かう通りの上には首都高が走っているため、歩道が橋の影にあたって昼間も薄暗い感じがします。その代わり、街灯が多くあり、夜はしっかりと歩道を照らしてくれます。

なお、木場には夜な夜な若者や大人が集まるお店がほとんどありません。道ばたで酔っ払いに遭うこともなく、ゴミのポイ捨てはほとんど見たことがありません。治安は良く、朝方でも駅前は綺麗です。 

チェックポイント④「買い物」

木場には、日本でトップクラスの売上をあげるイトーヨーカドーがあります。

私自身、基本的に土日はイトーヨーカドーに必ず行っています。生活のほとんどすべてはここで賄えるでしょう。

それくらいなんでも売っています。木場に住んでいる子育て世帯で、行ったことがない人は絶対にいないと言っても過言ではありません。みんな大好きです。
それに、おもちゃ、学校指定の体操着や帽子、上履き、文房具など、子供に必要なものは何でも売っています。子供の塾やお稽古教室も入っています。家計に優しいサイゼリヤなどのレストランも豊富にあり、映画館や1000円カットのQBハウスもあります。もちろん駐車場もあるので、まとめ買いした時も安心です。

また、イトーヨーカドー前の広場は、パパママの友達同士とおしゃべりするのにピッタリ!大人たちが世間話をしている間、子供たちは大好きな噴水の周りを走り回っています。
他にもここにはフラワーガーデンがあり、疲れた時に休んだり、写真撮影したり、夏には小さなお祭りがあったりと、イベント会場にもなっています。

しかし、子供から「またイトーヨーカドーに行くの?飽きた」と言われるくらい、すべてがイトーヨーカドーありきの生活になってしまいます。
また、木場には商店街がありません。例えば、冒頭のランキング1位だった奥沢には商店街があります。駅前に子供と一緒に入りやすい飲食店が少ない点は木場のマイナスポイントです。

チェックポイント⑤「遊び場」

駅から北に5分歩くと、木場公園があります。

土日はファミリーで溢れており、とても過ごしやすい公園です。遊具はもちろん、BBQスペースや飲食店、ドッグランもあるため、散歩コースとしてはもちろん、遊び場としてもオススメです。

夏には100以上の屋台が出店する夏祭りがあり、多くのアクティビティを体験できるスペースも用意されるため、子育てファミリーには必ず行っていただきたいスポットです。

チェックポイント⑥「施設」

子を持つ親にとって小児科はあればあるほど嬉しいものです。Googleマップで調べたところ、駅の近くに3つありました。我が家もそのなかの1つをかかりつけ医にしています。予約制のため、特に混み合うことはありませんが、予約できないと1時間は待つことになるので注意が必要です。
また、日曜日に子供が体調を崩した場合は、バスで15分の東雲駅前の小児科まで行く必要があります(ここが一番近いはず)。感染症の場合、医者の診断書がないと保育園に登園できないので、日曜日に罹ってしまった場合は頑張って東雲の「キャプスクリニック」まで行きましょう。

学校は小学校と中学校があります。我が子が通う小学校は、1学年30人の4クラスです。入学年によって異なると思いますが、この辺りにある小学校は、おおむね毎年10名程度、学区外の生徒も受け入れてくれる傾向にあります。
また、保育園については、2022年時点で待機児童ゼロです。もちろん、ゼロだからといって希望する保育園に通えるとは限りませんが、保育園探しに奔走する必要はなさそうです。

チェックポイント⑦「居住者コメント」

7歳の子を持つお父さん(40代)
「木場は大人には物足りない街だけど、子供が安全に育つにはとっても良い街だと思います。今後、木場の開発が進んで、さらに暮らしやすくなれば、木場から引っ越す理由はありません」

5歳の子を持つお母さん(30代)
「丸の内エリアで働いていますが、娘が急に体調を崩して保育園から急なお迎え要請があった時に、30分以内に保育園に到着できるのが嬉しいです。娘を待たせなくて済みますし、そのまま駅前の小児科に受診できますしね」

今回は木場駅をご紹介しました主な特徴を挙げるとすると、次の3点です。

①都心へのアクセスが良い割に、分譲マンションの相場が低く、コスパが良い
②駅前に飲み屋やスナック、パチンコ屋がなく、子供にとって治安が良い
③大型スーパーがあり、買い物が便利

子育て世帯にとってうれしい街は、『街ランキング』に関係なく存在するようですね。引越し先に迷われている方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
 
次回は、ランキング上位の街を探索します。木場駅と比べてどう違うのかを調査してきたいと思います。

Hello News編集部 鈴木 規文

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次