全米で広がる賃貸住宅の家賃規制、日本で起こる可能性はあるのか?

3月23日の日本経済新聞Web版に、「全米で広がる家賃規制 10州超が検討、高騰で生活圧迫」という記事があった。

記事によると、ニューヨークでは、新型コロナウイルスの新規感染者が減り、経済活動が再開されて街に人が戻ってきたことで、住宅不足が起こっているという。

主要都市の家賃は前年比で10%超上がっており、引っ越しを余儀なくされた人も多いとある。そういう人たちを保護する目的で、家賃の上昇率を抑える家賃規制についての議論が自治体と賃貸オーナーとの間で行われているそうだ。

日本では家賃を決めるのは、基本的にはオーナー、あるいは管理会社であり、その金額について、行政が口を出す、ということは考えられない。

しかし、日本でもアメリカ同様、家賃規制が起きる可能性はあるのだろうか。ことぶき法律事務所の林幸平弁護士に聞いた。

「日本では、地代や家賃は、当事者の自由な合意によって決めるべきものと考えられ、その金額等に国や自治体が介入する法律はありません」(林弁護士)

「けれども」、と付け加える。

「昭和61年までは、戦争前後の混乱期に住宅を確保するため、地代家賃統制令があり、家賃の規制が行われていたことはあります」(林弁護士)

つまり、過去の事例に鑑みると、日本でも状況等によっては家賃規制の可能性がゼロではないことが窺える。

元々、賃貸住宅の家賃は、インフレになってもすぐには家賃を上げられない弱さがある一方で、簡単に金額が変わらないことから、不景気に強いと言われてきた。

アメリカをはじめ、世界主要国が利上げを発表し、インフレに向かう中、日本の家賃はどうなるのか。オーナー一人ひとりが考える課題である。

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