賃貸オーナーさんに知ってほしい「大事な建物を守るために必要な対策」〜風水害編〜

ここ数年の日本では、全国各地で台風や大雨、風水害が多発している。川の近くなどに住んでいるとみるみるうちに水カサが増えていくのに恐怖を感じたことがある人は多いだろう。

こうした自然災害がひとたび起き、建物の浸水や損傷などの程度が大きければ賃貸経営の継続そのものに影響を及ぼしかねない。今回は天災の中でも特にこれからの季節に多い、風水害についての対策を紹介する。

目次

「減災」「防災」の必要性

2000年以降に発生した風水害により人々の生活に多大な影響を与えた自然災害は、以下の通り。災害大国ニッポンと言われる通り、数多くの風水害被害が発生している。

東海豪雨(2000年9月11日~12日)東海地方で記録的大雨が発生。愛知県・岐阜県を中心に大規模浸水。
2004年台風16号18号23号(2004年8月30日~31日、9月7日、10月19日~21日)日本全国に暴風・大雨・高潮の被害をもたらした。
2005年台風14号(2005年9月5日~8日) 各地で大雨が発生。高知県・早明浦ダムでは貯水率が1日で0%から100%へ回復。
2013年台風26号(2013年10月)伊豆大島で記録的な大雨による土石流が発生。
2014年8月豪雨(2014年8月20日)広島市北部で大規模な土砂災害が発生。家屋の全半壊255軒。
2016年台風7号11号9 号10号(2016年8月16日~8月31日)台風及び大雨により住屋倒壊や浸水などの水害、農作物への甚大な被害が発生。
九州北部豪雨(2017年7月5日~6日)福岡県と大分県で集中豪雨。
西日本豪雨(2018年7月上旬)広島県や岡山県などで甚大な被害が発生。死者200人越え。
九州北部豪雨(2019年8月28日)長時間にわたる集中豪雨が発生。各地点で観測史上1位の記録を更新した。
2019年台風15号(2019年9月)関東上陸時の勢力では過去最強クラスの台風。
2019年台風19号(2019年10月)関東地方などを中心に記録的な大雨が発生。
令和2年7月豪雨(2020年7月3日)熊本県を中心に九州や中部地方など日本各地で発生した集中豪雨。

昨年末、千葉の房総半島を旅行した際、ブルーシートを被った民家が多いことに驚いた。地元の人に聞くと、2019年の台風15号、19号で被災した家屋であり、1年以上が経過しているというのに、未だ屋根や窓などの復旧が完了していないのだという。

「職人が足りてないと聞いています。旅館やホテルでさえ、ようやく改修が終わったと言うところもあるくらい」とのことだった。

災害が起こることを前提に、いかに「減災」「防災」をするかが肝要だと思わされた。

事前にチェックしておく部位

一級建築士や震災建築物応急危険度判定士の資格を持つ、不動産コンサルティング会社の代表取締役、猪俣淳さんは、「まずはハザードマップなどで所有物件がどのような土地に建っているのかを把握し、起こる可能性がある災害リスクを認識しておく必要がある」と語る。

例えば、河川が近ければ洪水や高潮などの水害、山間部にあれば土砂崩れや暴風などの風害など、その土地の特性を知ることで回避できる自然災害もある。「予見」することが何よりも大切だと話す。

また、建物に対して実際にできる対策としては、日頃からどのような状態なのかをチェックすることが重要で、中でも次の4カ所は特に注意が必要だと言う。

①雨水の侵入や雨漏りへの対処法
川が近かったり地盤が低かったりすると、何度も同じような浸水被害に遭う恐れがあるため、1時間に50㎜を超えるような大雨予報が出た際は、早めに土のうや防水板で建物への侵入を予防する。また、外壁のひび割れがある場合は、補修をして置くことも大切だ。

②排水溝や雨どいに溜まった落ち葉の処理
排水溝や雨どいに落ち葉や木の枝、ゴミなどが溜まっていると、排水が滞って冠水の原因となるため、日頃からほうきやスコップで取り除いておく。近くに植栽がある場合は、あらかじめ剪定しておくことも対策のひとつ。

③強風による窓ガラスの破損防止
強風が発生した際、最も怖いのは物が飛ばされること。窓ガラスに当たると簡単に割れてしまうため、事故やけがを未然に防ぐために、強風予報がでた際は、飛ばされそうなものは事前に室内にしまっておく。

④自転車置き場や物置の補強
地面に固定されているとはいえ、油断できないのは自転車置き場や物置。ネジのゆるみや破損などにより、飛ばされてしまうこともある。強風の際は、一時的に屋根と地面をロープでつないでおくとよい。

暖かくなってきたこの時期、ぜひ散歩がてら、建物の状況確認でぐるっと一周してみるのもいいかもしれない。

ハローニュース編集部 鈴木規文

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