建設業界は今、建築費高騰と人材不足で倒産が過去最多という状況に陥っている。未完工事は15兆円超。そんな逆風の中でも、職人を志す若者が現場で活躍している。
ハローニュースでは、未来を担う若き職人たちの声を届けるため、現場で活躍する若い職人たちにスポットを当て、紹介していく。
過去回

賃貸住宅の室内リフォームの現場で、黙々とクロスを剥がす姿がある。ベトナム人の27歳、チュオンさんだ。技能実習生として来日して1年3カ月、日本語はゼロからのスタートだった。

彼は18歳の頃、ロシアで働くことになった母に付き添い、12年間、ロシアにあるアパレル縫製工場で過ごした。その後、結婚を機にベトナムに帰国するも、安定した生活を求めて、子供と妻の残し、日本への出稼ぎの道を選んだ。今は寂しさを抱えつつも、家族に仕送りを続けている。
リフォームの職人になることを決意したのは、「自分のスキルを高められる。家も好き」という理由だ。チュオンさんは「最近は、室内のクロスや床の貼り替えという仕事が面白い。クロスの張り替えは得意だと思えるようになってきた」という。
「室内リフォームの現場では、それまで汚れていた室内が自分の力できれいにできるのが楽しいです。毎日、達成感があります」と笑顔を見せる。
日本の夏の暑さに苦労しながらも働き続け、「とにかく働けること自体が嬉しい。仕事が好き。社長や先輩も優しいし、大変だとは思わない」と前向きだ。


ゼロからの挑戦ゆえに努力も欠かさない。先輩の動きを真似し、夜は作業を頭の中で繰り返し想像するイメージトレーニングを行っている。
「作業は全部難しいけれど、しっかり見て練習すればできるようになるから」と話す。仕事を始めて半年過ぎた頃から、体が自然と動くようになったという。
とはいえ、失敗して落ち込むこともある。ただ、「同じ間違いをしないようにしています。怒られるのも悪いことじゃないけど、同じことを何度も言わせるのは相手に失礼だと思うから」と話す姿勢が、彼の真剣さを物語る。
将来の目標は、妻と1歳半の子どもを日本に呼び寄せること。そのために、特定技能2号と、その後の就労ビザの取得を目指している。
話を聞く中で、何度も「いい先輩に恵まれてよかった」と話した。
異国で前を向き続ける若者の強さがにじんでいた。

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