熊本の半導体バブルの現場  食堂スタッフの時給は3500円

菊陽町に建つ、TSMCの巨大工場

この写真は、熊本県の菊陽町で撮りました。
24年12月に稼働予定の台湾の半導体メーカーTSMCの巨大工場が写っています。TSMCの時価総額は50兆円。トヨタ自動車の約2倍です。
この工場の稼働により、向こう10年間で10兆円の経済効果を生むと言われています。
私が訪れたのは、23年の8月でした。1日5000人の建設作業員が3交代で働き、ダンプカーがひっきりなしに出入りしていました。日本中で建設作業員の不足が叫ばれていますが、「ここは、別世界だな…」と思ってしまうほど。
周りを見渡すと、牛舎があったり畑があったりとのどかな農村地帯で、ここに突如として1万人規模の雇用が生まれるのかと思うと、我が目を疑うほどでした。

工場の中には、食堂があります。「食堂のおばちゃんの募集自給は3500円。それでも今は人手が足りない」(明和不動産 川口雄一郎会長)
国道57号線は賃貸住宅の新築ラッシュ。地元では、1028戸の賃貸住宅が新築中だと聞きました。「半導体エリートが住みますから、当社が建てる賃貸の賃料は20万円超えが多い」(川口会長)

このように、熊本は半導体バブル真っ只中で沸いていました。
しかし、今年1月の自然豊かな阿蘇の麗共同通信の報道によると、韓国政府が、ソウル近郊で建設予定の半導体工場団地の投資額は、なんと68兆6000億円。そのほかに韓国国内で新設される生産・研究拠点の人材確保やインフラ建設、地域商圏の活性化については、47年までに計346万人の直接・間接的な雇用創出を見込むと試算しているそう。まさに国をあげて半導体の自給率を上げようとしています。
日本での投資額は、熊本・TSMCが2兆円、北海道千歳・ラピタスが5兆円。これで大変な騒ぎになっていますが、世界で見たら桁が小さいのかもしれません。

Hello News編集部 吉松 こころ

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