<越中島編>子育て世帯にはどの街がオススメ?娘2人を持つ父が「住みやすい街」を実際に歩いてみた

大手賃貸ポータルサイトが発表している「住みやすい街ランキング」で高評価を得ている街は、本当に住みやすい街なのか。子育て世帯でも安心して暮らせる街なのか。実際にその街に赴き、子供(7歳と8歳)と探索し、「住みやすさ」の答え合わせを行う企画の第10弾です。
 
今回は、東京都江東区に位置する、JR京葉線の越中島駅を調査しました。
越中島駅は、1990年に開業し、JR京葉線、JR武蔵野線の停車駅です。東京駅から4分という好立地にあり、東京海洋大学海洋工学部越中島キャンパスの最寄駅でもあります。
1日の乗降者数は、東京23区のJR駅の中においても最も利用客数が少なく、1日平均乗車人員は5221人(2023年)です。
好立地にあるにもかかわらず、人の往来が少ない越中島駅は、ファミリーにとって住みやすい街なのか、実際に子供と歩きながら調べていきましょう。

チェックポイント①「エリア」

JR京葉線の越中島駅は、東京駅から1駅4分とアクセスは抜群ですが、電車の本数は10分に1本程度と、他路線に比べて少ないです。また、電車が海沿いを走るため、強風や大雨などの天候によっては、ダイヤが大幅に乱れることがあり、遅れがちな路線としても知られています。
通勤や通学時は、常に最新の路線情報をチェックしておかないと安心できません。

続いて、住宅の価格相場を見ていきましょう。
LIFULL HOME’S調べによると、中古マンション(専有面積:70m²の場合)の相場は8093万円です。サイト内の分類で月島や豊洲エリアまで含んでしまっているため、半数以上が1億円超えとなり、相場を大きく押し上げています。越中島駅から徒歩10分にしぼって検索すると、ヒットしたのはわずか10件。すべて5000万円~6000万円台です。隣接するエリアに比べると極端に安くなります。
とはいえ全体的に供給が少なく、越中島エリアで新たにファミリー向け住宅を探すのは困難かもしれません。

賃貸住宅の相場は、1LDKで18万6400円、2LDKで21万9000円、3LDKで28万1300円です。中古マンション同様、駅徒歩10分にしぼると66件しかヒットせず、供給が低いことがうかがえます。
越中島エリアに住みたい場合は、どうしても行きたい学校や塾など明確な目的がある人が住むのかもしれません。実際、娘の保育園時代のお友達のなかには、越中島にある小学校に通いたいという目的で、木場から越中島に引っ越した家族もいました。

チェックポイント②「駅構内」

ホームは広く、歩きやすい一方、ホームドアは未設置でした。令和13年度までに整備されると東京都が発表しています。また、ホームは地下階にあるため、電車の出発時は強風が吹き、帽子などが飛ばされてしまう可能性もあるでしょう。小さな子だと飛ばされた帽子をすぐに追いかけてしまう可能性もありますので、注意が必要です。

駅構内も広く、エレベーターも改札付近にあるため、ベビーカーでも楽に移動できます。前述したように、越中島駅は23区でもっとも乗降者数が少ないJRの駅のため、日曜日の11時頃に歩いてもほとんど人とすれ違いませんでした。

チェックポイント③「駅周辺」

出入り口は4カ所あります。越中島通りから清澄通りに出ると、北に行けば門前仲町、南に行けば月島と、どちらも歩いて20分程度で着くことができます。

また、どの出口を出ても東京海洋大学のキャンパスが目の前にあります。その影響からか、学生のものと思われる自転車が歩道の3分の1を占めており、子供と手を繋いで歩くには狭いかもしれません。

なお、越中島エリアの大部分は、東京海洋大学の敷地で、残りが団地、小学校、中学校で埋められています。都心にあるような大きなオフィスビルは建っておらず、通りに影ができず、駅前でも日当たりがとても良いです。反面、夏場は直射日光を浴びることになるので、赤ちゃんがいるご家庭は、暑さ対策が必要そうです。歩道には、休めるベンチも設置されていました。

また、川沿いを歩ける遊歩道もあり、天気の良い日は気持ちよくお散歩できるでしょう。
道幅も広いので、ここでは子供から手を離しても、安心です。

チェックポイント④「買い物」

越中島では、買い物はほとんどできないと考えておきましょう。最寄りのスーパーマーケットは、門前仲町のオオゼキ(徒歩15分)か月島のマルエツ(徒歩20分)です。コンビニも駅前にはなく、10分ほど離れた場所にあります。
そのため、もし越中島に住むのであれば、自転車は必須です。できれば自動車も欲しいところです。また、食品などを配達してくれるネットスーパーも活用しましょう。

チェックポイント⑤「遊び場」

エンタメ施設はありませんが、公園はたくさんあります。
川沿いにある中の島公園と越中島公園は、遊具こそありませんが、見晴らしがよく、気分転換するには最適です。子供が自転車を練習する場所としても良いでしょう。
門前仲町との間にある牡丹町公園は、大きな山の形をした滑り台や、アスレチック、ブランコ、砂場など、バラエティ豊かな遊具があります。ちなみに、私の娘もこの公園が大好きです。いつもクタクタになるまで遊んでいます。
また、東京海洋大学には、国の重要文化財「明治丸」が展示されており、公開日には間近で見ることができます。敷地内には明治丸海事ミュージアムもあり、海のことを学ぶ良い機会になるでしょう。

チェックポイント⑥「施設」

マンションの供給数が少ないため、施設についても期待はできません。
駅前に小児科はなく、門前仲町か月島まで出るほかありません。
一方、小学校は、江東区において校庭がトップクラスに広い越中島小学校があります。校庭の広さが人気の秘訣で、学区外から入学希望を出す家庭も多く、前述のように小学校に入学したいために引っ越しする家庭もあるほどです。また、同じく深川第三中学校は学力レベルが高く、こちらも入学を希望する生徒が多く、抽選では毎年高倍率になっています。

今回は越中島駅をご紹介しました。主な特徴を挙げると、次の3点です。

①JR京葉線(JR武蔵野線)で東京駅から4分と好立地
② マンションの供給数が少なく、相場は高い
③ 買い物や小児科等の施設はないが、学校は抽選で高倍率になるほど人気が高い

引越し先に迷われている方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
 
この連載では、次回も住みたい街としてランキング上位に名を連ねる街を探索する予定です。データだけでは見えてこない街の魅力と課題を、実際に歩いて明らかにしていきます。
 

Hello News編集部 鈴木 規文

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