<潮見駅編>子育て世帯にはどの街がオススメ?娘2人を持つ父が「住みやすい街」を実際に歩いてみた

大手賃貸ポータルサイトが発表している「住みやすい街ランキング」で高評価を得ている街は、本当に住みやすい街なのか。子育て世帯でも安心して暮らせる街なのか。実際にその街に赴き、子供(6歳と8歳)と探索し、「住みやすさ」の答え合わせを行う企画の第8弾です。
 
今回は、東京都江東区の南部に位置する、JR京葉線の潮見駅を調査しました。
潮見は1962年に河川の埋め立て工事によって造成されたエリアです。元々は都内で排出される廃棄物の最終処分場でしたが、京葉線延伸により潮見駅が開業し、徐々に住宅地として発展を遂げています。
また、2012年以降の政府によるインバウンド政策の積極化、観光客向けのホテルが多く建ちました。東京ディズニーランドまでJR京葉線で3駅9分と、観光拠点の1つとして注目を集めています。それでは実際に子供と歩きながら調べていきましょう。

チェックポイント①「エリア」

潮見駅は、東京駅から千葉県の蘇我駅まで東西につながる臨海地域を走るJR京葉線の駅で、東京駅まで7分の場所にあります。潮見駅発のバスに乗れば、豊洲や東陽町にもアクセス可能です。
また、四方を運河に囲まれています。西側は純工業地帯で工場や倉庫が多く立ち並び、その奥には住宅街が広がっています。北側~東側はアパホテルやホテルリブマックス、東京イーストサイドホテル櫂会、東京ベイ潮見プリンスホテルなどホテルが建ち、南には企業ビルが多いです。
中古マンション(専有面積:70m²の場合)の相場は5437万円となっています(LIFULL HOME’S調べ)。隣の越中島駅の相場が7372万円ということを考えると、割安だと考えられますが、供給数自体が少ないためか、現時点で空きは築年数問わず22件しかありませんでした。

一方、賃貸住宅の家賃相場は、1LDKで11.08万円、2LDKは不明、3LDKが17.40万円です。ファミリー向けに絞って検索すると、こちらも33件しか空室が出ておらず、分譲同様に供給がほとんどないことがわかります。
立地は良くても、過去に埋立地だったこと、用途地域が工業地域なこともあり、もしかしたら需要自体が少ないのかもしれません。

チェックポイント②「駅構内」

子連れで電車に乗る時、親として心配なのは、子供がホームに落下しないか、電車に接触しないか。だからこそホームドアは、子育て世帯が多く住む駅には絶対に設置されていてほしいと考えますが、なんとJR京葉線はすべての駅にホームドアが設置されていません。

JR東日本の資料を読むと、全駅とも「2031年度までに設置予定」と書かれてあり、2023年度時点での東京メトロの設置率97%、都営地下鉄の設置率100%と比べると、JR東日本の対応は遅く感じます。
また、東京ディズニーランドがある舞浜駅まで潮見駅から10分の距離にあることから、時間帯によっては観光客でホームが溢れかえることもあるようです。実際、私たちがホームを歩いていた時も、多くの観光客がホーム上に列を作っており、小さな子供にとっては危険を感じるレベルでした。
改札は1箇所、エレベーターは1基あります。ちなみに駅構内にお店などは何もなく、改札外にコンビニが1軒あるだけでした。

チェックポイント③「駅周辺」

改札を出ると、タクシーやバス乗り場があるロータリーに出ます。

駅前とはいえ車通りが少なく、バスやタクシーがまばらに走っているだけで、閑散とした風景が広がっています。しかし、歩道は広く、道も平坦になっているため、子供と一緒に歩いたりベビーカーを押したりすることに、さほど危険はなさそうです。

とはいえ少し駅前から離れると、薄暗い路地や小道が多く見られました。危険の可能性が高いかもしれませんので、夜は子供一人で外出させるのは避けた方が良いかもしれません。

チェックポイント④「買い物」

駅前にはスーパーマーケットのマルエツがあるため、食品や日用品等の買い出しで困ることはないでしょう。また、オリジンも徒歩1分の距離にあり、献立に困ったときは重宝しそうです。

しかし外食については、ファミレスやファーストフード店は少なく、個人経営の居酒屋が何軒かある程度。外で食事をする際は、他エリアまで少し歩く必要があります。

チェックポイント⑤「遊び場」

潮見エリアで遊ぶところは公園くらいしかありませんが、駅から10分ほどの距離には、潮見運動公園があります。ここは、遊具はあまりありませんが、野球場やテニスコート、バスケコートがあり、学校のイベント等でもよく使われています。
 
また、河川に面しているため、釣りができます。都内では珍しいクロダイが釣れるようで、隠れた穴場スポットです。子供との趣味にももってこいですね。
隣接している潮見さざなみ公園も釣りができます。こちらは遊具も豊富に設置されているので、小さな子供にはこちらの公園のほうが遊びがいがありそうです。
 
清水建設が運営するオープンイノベーション拠点「温故創新の森NOVARE(ノヴァーレ)」は2023年9月に開設されました。

こちらは資料館や体験型研修施設など、子供も楽しめそうなエリアはありますが、定期的に遊びに行くような場所ではないため、満足度は低いかもしれません。
なお、デパートやショッピングモール等もないため、買い物同様、エンタメを求めるならば他エリアに行くのが良いでしょう。

チェックポイント⑥「施設」

潮見エリアには小学校も中学校もありません。650mほど離れた枝川エリアまで歩かなくてはなりません。教育施設の状況は、子育て世帯にとって最大のネックとなるポイントでしょう。
保育園は10分圏内に2箇所あります。調べたところどちらのHPにも「待ち状況」が書かれていないため、ある程度は入園しやすい状況と思われます。
ちなみに、小児科は1件です。子どものための医療機関へのアクセスが乏しいのは、親の立場として大変、不安です。

今回は潮見駅をご紹介しました。主な特徴を挙げると、次の3点です。
 
①都心へのアクセスは比較的良く、相場も安いが、駅や街の開発は遅れている
②買い物や遊びに行く際は、他エリアに向かうのがおすすめ
③保育園や学校がなく、小児科も1件のため、ある程度の覚悟が必要

引越し先に迷われている方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
 
この連載では、次回も住みたい街としてランキング上位に名を連ねる街を探索していきます。データだけでは見えてこな街の魅力と課題を、実際に歩いて明らかにしていきます。

Hello News編集部 鈴木 規文

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