「子育て世帯が住みやすい街はどういう街なのか?」を調べるために、今年4月から7エリア(木場、清澄白河、豊洲、晴海フラッグ、門前仲町、南砂町、東陽町)を、実際に小学生の子供2人と歩いてきました。
その際、私が特に意識した点は以下の点です。
- 駅のホームドアの有無
- 歩道の広さ
- 小児科の数
子育て世帯、特に保育園〜小学校低学年の子どもを持つ親にとって、何より大切なのは子の安全。
中でもホームドアについては、東京都も東京メトロと連携し、2025年末までに設置率100%を目指すなど、重要性は高まっています。私も駅の安全性を図る基準のひとつとして重視しています。
駅のホームドアの有無
木場 | 設置計画はあるものの6年間動きなし | |
清澄白河 | 半蔵門線にはなく、大江戸線にはあり | |
豊洲 | ホーム改修中だが設置あり | |
晴海フラッグ | 最寄駅の新橋駅には設置あり | |
門前仲町 | ◎ | ホームも広く、安全性は抜群 |
南砂町 | 2027年までに設置予定。ホームは狭く危険 | |
東陽町 | 設置ありだがホームに古さを感じる |
また、子供と一緒に歩くことを考えると、歩道も重要なポイントです。子供はすぐにフラフラとどこかへ行ったり、急に走り出したりします。自転車が後ろから来ていてもおかまいなしです。子供と自転車が衝突しそうになり、何度ヒヤッとしたことか。そのため、歩道が狭い場所は、常に手を繋がないと安心できません。近年、自転車走行用と歩行者用とに分けて歩ける歩道が増えてきてはいますが、そのルールを守って走っている自転車は少ないように感じます。
歩道の広さ
木場 | 歩道は広いが坂道が多く自転車がスピードを出しがち | |
清澄白河 | 自転車と歩行者用で分かれていないが広さは十分 | |
豊洲 | 歩道が広すぎる分、スピードを出す自転車が多い | |
晴海フラッグ | ◎ | 街全体が新しいため、歩道も綺麗で歩きやすい |
門前仲町 | 歩くには十分な広さだが凸凹している箇所が多い | |
南砂町 | 工事箇所が多く歩きづらさはあるが歩道は広い | |
東陽町 | 自転車が多く走るため歩道は広いが注意が必要 |
小児科の数は、子を持つ親なら誰もが考えるところでしょう。小さな子は保育園や学校などですぐに友達の病気をもらってきてしまいます。我が子も保育園時代は必ずといっていいほど、流行り病に罹っていました。そんな時、歩いて行ける距離に小児科があると本当に助かります。ただし、数が少ないと小児科に着いても30分待ちは当たり前。長い時は1時間は待機していなくてはならないことも。さらにようやく診察が終わっても薬局で処方箋を受け取るのにも同じくらい時間がかかってしまった経験もあります。もちろんそうなると、当日では診察の予約も取れません。そのため、選択肢となる小児科が多いエリアは、子育て世帯にとって大きなメリットとなります。
小児科の数(検索サイト「ドクターズファイル」より)
木場 | 6件 | |
清澄白河 | 3件 | |
豊洲 | 8件 | |
晴海フラッグ | 1件 | |
門前仲町 | 5件 | |
南砂町 | 12件 | |
東陽町 | 12件 |
都市の世代交代が示す未来
豊洲や晴海フラッグといった新興エリアと、門前仲町や清澄白河のような歴史のある街では、「子育てのしやすさ」は異なるアプローチが見られました。新興エリアでは、広々とした歩道、充実した公園、24時間営業のスーパー、そして最新の医療施設など、子育て世帯のニーズを徹底的に考え抜いた設計が特徴です。
特に豊洲では、子育て支援施設が徒歩圏内に集中し、雨の日も濡れずに移動できる設計になっています。また、晴海フラッグでは、建物内に保育所や小児科を備え、子育て世帯の時間的負担を大きく軽減しています。このように、新興エリアは都市計画の段階から、現代の子育て世帯が抱える課題を解決する方向で設計されているのです。
ホームドアの設置状況や歩道の整備具合は、その街の子育て世帯への配慮が少しずつ進んでいることを端的に表しています。もちろんホームドアの恩恵は子育て世帯に限るものではありませんが、特に、再開発が進む南砂町では、新旧住民を含めた住民ニーズへの対応を意識した変化が顕著です。
こうしたインフラの更新は、街の将来性を占う重要な指標となっています。
総合評価
上記3点に加えて、実際に街を歩いて感じたことを踏まえて、総合的に評価してみました。その街の詳細はURLから記事をお読みください。
豊洲 | 1位 | 住居費が高い代わりに子どもの将来性を伸ばせる施設やファミリーが楽しめる場所が多い |
門前仲町 | 2位 | 都心へのアクセスは抜群。また、全体的に7エリアの中で平均点以上はある。 |
晴海フラッグ | 3位 | 街が新しいため、建物が綺麗で治安が良く安全性も高いが、移動はバスになるため車がないと不便。 |
清澄白河 | 4位 | 住宅が少ないが、スーパーの数は豊富。古さと新しさが混ざった文化が魅力的。 |
東陽町 | 5位 | スーパーの種類は豊富だが遊び場が少ない印象。学校が多くあり教育面は充実している。 |
木場 | 6位 | 不動産相場&アクセス良好。買い物は便利だがイトーヨーカードーの一択に。 |
南砂町 | 7位 | 再開発中のため工事中が多く落ち着かない。人気マンションがあり子育て世帯が集まっている。 |
2025年も、引き続き気になる街を子育て目線で探索をしていきます。どんなところが他の駅と違うのか、実際に歩いて調査していく予定です!
Hello News編集部 鈴木 規文
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