大手賃貸ポータルサイトが発表している「住みやすい街ランキング」で高評価を得ている街は、本当に住みやすい街なのか。子育て世帯でも安心して暮らせる街なのか。実際にその街に赴き、子供(6歳と8歳)と探索し、「住みやすさ」の答え合わせを行う企画の第7弾です。
今回は、江東区の中心に位置し、江東区役所や免許センターがある「東陽町駅」を調査しました。
東陽町は、前述のような公共施設が多くあり、江東区行政の中心地です。駅前にはロレックスのサービスセンターやダイエーやオーテックの本社ビルなどが建ち並び、オフィス街としても発展してきた街です。
さらに2030年代半ばには、豊洲-住吉を結ぶ有楽町線延伸計画(通称:豊住線)の停車駅となることが決定し、街の将来性に注目が集まっています。それでは実際に子供と歩きながら調べていきましょう。
東陽町駅は東京メトロ東西線の駅で、大手町まで約10分、日本橋まで約8分でいくことができる好立地にあります。
都営バスの車庫があることから、東陽町には多くのバスが集まってきます。そのため、亀戸駅、東大島駅、新木場、潮見駅、錦糸町、東京駅、豊洲市場、東京テレポート駅、羽田空港などといった電車でアクセスしづらいエリアへのアクセスも楽々です。
中古マンション(専有面積:70m²の場合)の相場は、70平米で5264万円となっています(LIFULL HOME’S調べ)。
駅周辺はオフィスが密集しているものの、有楽町線延伸による新路線の乗り入れで新しい人の流れができ、今後も街の発展が進んでいくことが予想されます。そのため、中古マンション相場の価格高騰もありそうです。
一方、賃貸住宅の家賃相場は、1LDKで15.23万円、2LDKで15.22万円、3LDKで23.50万円です。隣駅の木場や南砂町とそこまで差はないようです。
また、築3年以内だと51件ヒットしました。比較的、今現在もファミリー向けの新築が建てられているようです。東京都心はもちろん、千葉方面へのアクセスも良いことから、ニーズは常にありそうです。
ちなみに駅徒歩10分圏内の物件がもっとも多く、住宅地は駅から少し離れた場所にあることがわかります。
東陽町駅のホームは、隣の木場駅や南砂町駅などと異なり、線路を挟んだ両側に、上りと下りの電車が停止します。2020年11月、向かいのホームに止まっていた電車を自分側の電車と勘違いして乗ろうとした視覚障害の高齢者が、ホームから転落し、電車にはねられ死亡した事故がありました。
そこで東京メトロは、ホームドアの設置を急ぎ、2021年5月、東陽町駅にもホームドアが設置されることになりました。それにより、稼働ドアの間口が広くとられ、ベビーカーや車椅子の方の乗り降りも容易になりました。
駅構内の通路は狭く、混雑時の移動は困難かもしれません。1日あたりの乗降者数は11万1204人で、東京メトロ管轄では22番目に混雑する駅となっています。そのため、通勤・通学時間帯は、エスカレーターもエレベーターも長蛇の列ができ、ストレスがかかるでしょう。
とはいえ、出口が5箇所あるので、目的地の近くまで構内を歩けることはメリットです。
地上に上がると、四つ目通りと永代通りの交差点に出ます。
歩道もひろく、自転車レーンがあるので、人通りが多くても、そこまで怖さはありませんが、自転車が至るところで違法駐車されています。歩道の広さのおかげで通行の邪魔にはなりませんが、あまりよい景観ではありません。
とはいえ、各所に防犯カメラが設置されており、街灯も多く設置されているので、夜間でも明るく、比較的、安心して通行できるでしょう。
また、駅周辺はオフィスが多い影響からか、飲食店も多くあります。ファミリー連れで行けるサイゼリヤやマクドナルドがあるのは嬉しいポイントですね。
スーパーは、徒歩10分圏内に、オーケー、西友、イキイキ生鮮市場、サミットと、多種多様に揃っています。北側に集中しているため、南側に住んだ場合は多少、手間ではありますが、バスも定期的に出ているので、そこまで不自由はしないでしょう。
また、駅前にはダイソーや書店、ベローチェなどのカフェも充実しているので、子供の習い事の間の暇つぶしに事欠くことはありません。
一方、ホームセンターなどの日用品や家電などを売っているお店は少ないため、木場のイトーヨーカドーや南砂町のSUNAMOまで足を運ぶことになりそうです。
駅を出てすぐの距離に東陽公園があります。この辺りでは一番広い公園です。いつも子供達で賑わっています。
木場駅方面に20分ほど歩くと、東京現代美術館もあります。2019年にリニューアルしたばかりで、館内もとても綺麗です。
また、子供が好きなディズニーやジブリの展示を行ったこともあり、気になる方はぜひスケジュールをチェックしてみてください。
東陽町の施設といえば、なんといっても江東区役所と免許センターではないでしょうか。
江東区に住めば、必ず訪れるところです。
どちらも駅から歩いて10分ほどで到着できるので、利便性が高いです。
また、利用者数が多い東陽図書館も徒歩5分ほどにあります。子供専用の閲覧室もあるので、元気な子供たちにとっても重宝しそうです。
他にも、YMCA東陽町コミュニティーセンターがあります。
英語の塾や体操クラブ、バスケットボールクラブなど、区民ならば誰でも利用できる施設になっています。
私の子供たちも、3年ほどここに入っている体操教室に通っていました。
「スーパーが何軒もあるのが嬉しいです。その日の気分で変えられるので、毎日の料理も飽きません」
40代のお父さん
「職場は西船橋です。下りの電車は朝の通勤ラッシュも混み合いません。休みの日は子供と一緒にご飯を食べに行きますが、料理屋さんがたくさんあるので最高です」
今回は東陽町駅をご紹介しました。主な特徴を挙げると、次の3点です。
①都心はもちろん、千葉へのアクセスも抜群
②スーパーは充実しているがそれ以外はもうひとつ
③遊び場が少ないが、バスに乗ればどの方面にも1本で行ける
引越し先に迷われている方は、参考にしてみてはいかがでしょうか。
次回も、ランキング上位の街を探索していきたいと思います。どんなところが他の駅と違うのか、実際に調査していきます。
Hello News編集部 鈴木 規文
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