<第3回>ボロビル再生請負人のつぶやき

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第3回「投資物件で副業はいかが?」

当社(株式会社オリエンタル・サン)は、この4月に設立したばかりの池袋の不動産屋で、都心5区を中心としたオフィス管理を行っている。事業責任者の私は、2004年に不動産業界に入ってから、一貫して事業用物件(店舗・オフィス物件)、特にボロビルの再生を中心に活動してきた。本誌に連載の機会を得たので、しばしお付き合いいただきたい。

筆者プロフィール

山田武男


1980年横浜生まれ。茨城のニュータウン育ち。東京農業大学造園科学科卒。2004年に不動産業界に就職して以来、数社の不動産事業に従事。店舗、オフィス、ホテル等の事業用不動産を中心に、数十件の築古ビルを再生、運営に関わっている。築古ビルの空室に若手アーティストの展示場所として活用するイベントを18回開催するなど、ビル再生、地域への関与を模索し続けている。2019年4月、不動産会社(株)オリエンタル・サン設立に参画し、現在取締役。

不動産投資物件の収入はもちろん賃料。内装の工夫や業者の開拓など、あの手この手で賃収益アップを検討されていることと思う。

賃料以外に収入はアップできないか?そこで、今回は不動産物件にまつわる副業を探る。

自動販売機

代表的な事例は自動販売機。今や日本中どこを歩いても数メートルごとに設置されている。

自販機の設置は、様々な方法があり、以下のような方式だ。

・フルオペレーター式
ベンダーに場所と電気代を提供し、販売ごとに10%程度の利益を得る。

・自前設置式
新品または中古の自販機をリースまたは購入し、自分で補充販売する。

筆者の経験では、ビルオーナーの大半がフルオペレーター式を採用し、数社競合させて、比較検討することが多い。

自前設置式の代表的な例として、朝、たばこ屋さんや酒屋さんが自販機に補充しているのを見たことはないだろうか。こうした自前設置式では、50円などあり得ない値段で缶コーヒーを売っているところも見られ、努力次第でハイリターンも期待できるようだ。

ちなみに自販機と侮るなかれ。ある管理会社に聞いたところでは、ある駅前のビルの自販機5台の利益が、管理担当者の年収を軽く抜いたとのこと。部長職というからそれなりの年収だ。

また、知り合いのオーナーは、物件見回りのたびにゴミ箱をチェックし、売れ筋を確認の上、ベンダーに売れなくなった商品を入れ替えるようプッシュするらしい。季節の変わり目などは、売れ筋が変わるため、重要な作業になる。

時間貸し駐車場

敷地に余裕があるなら、駐車場として貸しているオーナーもいるだろう。月極駐車場が代表的だが、最近は2台程度の時間貸し駐車場も見られるようになってきた。

さらに、スペースが小さくてもバイク置き場、自転車用の駐輪場も人気だ。立地次第では、バイク、自転車専用の時間貸しの機械を置くこともありえる。

筆者は最近、都心で小型車しか駐車できない駐車場を募集していたが、泣かず飛ばずの営業の末、思い立って3台分のバイク置き場として募集したところ、2週間で満車となった。ちなみにこの時の投資は、駐車場用ラインテープ1,000円だけだ。

駐車場はシェアカー、シェアサイクルのポートとしても需要があるので、募集に不安のあるオーナーは、調べてみてはいかがだろうか。

貸会議室、撮影スタジオ

貸会議室もおすすめだ。筆者の顧客に運営会社がおり、投資回収を聞いたところ、デスク、椅子、ホワイトボード、プロジェクター、マイクなどの投資は中古も検討し、10万程度。回収は3カ月以内だそうだ。

予約サイトもこの数年充実してきた。スマートロックなどと組み合わせれば、鍵開けも遠隔でできる。清掃が悩ましいが、稼働次第では、賃料以上に稼げる可能性もある。

ただし、都心では競争の激しいエリアが増えてきたので、稼働をあげるには工夫がいりそうだ。

撮影スタジオという選択もある。レトロなインテリアや、景色の良い屋上、機械や配管が入り組んだ壁なども、機能性の高さと無骨でクールな見た目の美しさを併せ持つ「インダストリアル系」の背景に使われることがある。

スタジオ予約サイトは複数あるので、該当すると思った時は、一度担当に見てもらうとよい。

人気のスタジオは1日あたり10万円以上の利用料を取ることはざらで、月数回、稼働するだけで、あっという間に賃料を抜いてしまう。

ただし、撮影の条件は特異であり、低い天高や雑音が嫌われたり、控室を求められたりもするので、確認が必要だ。

ガチャガチャ

実は、筆者が一番やりたいのは、ガチャガチャだ。

ガン消しやスライムなど、小学生の頃の思い出はガチャガチャに詰まっている。

ガチャガチャは自販機よりも省スペースで、何より電気を使わない。

最近、外国人観光客の間で、余った小銭の使い道として、このガチャガチャが大人気だそうだ。成田空港には300台以上のガチャガチャがあり、人気商品の前では長蛇の列ができているほど。また、地下鉄構内にも数十台並ぶこともあり、子供も大人も夢中になってガチャガチャの機械を回している光景をよく見かける。

なんと、このガチャガチャの機械は中古であれば1台5,000円~10,000円程度で手に入る。中身の選択肢は無限だ。売れ筋はあるが、カプセルに入る商品なら、何でもよいのだ。

200円の商品が1日数個売れれば、月に数千円の利益がでる。

つまり、1カ月で投資回収が視野にはいる。

まずは筆者の小さな事務所の前に置いてみようと思う。本連載で後日、ご報告するので、ご期待いただきたい。

ボロビル再生請負人 山田武男

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