一晩で3200億円を稼ぎ出す日

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ケタ違いのお金が動く

毎年11月11日を、中国では、「ダブル11」、または「独身の日」と言い、中国最大のネットショップ祭りが開催される、特別な一日となる。11日の一晩だけで、各ネットショップ会社の売上は、毎年最高額を更新する。ちなみに、アリババの昨年の売上は7兆9200億円だった。このため、11月の前の1カ月間は、その日に向けた様々な動きが見られる。

独身の日は中国語で光棍節『こうこんせつ』という。
「光棍」は中国語のスラングで「独身者」という意味だが、1が「棍棒(こんぼう)」にも見えるため、1が4つも連続して並ぶこの日が、「棒だけしかない日」=「独身者の日」として、中国のインターネット上で最初はジョークとして広まった。1993年、南京大学の寮生たちが始めたイベントを機に、独身者同志が集まってパーティーを開いたり、結婚相手を探したりといった、催し物が行われるようになった。

各大手物流企業は、11日に受注するネットショピングの注文商品をなるべく早く配達するため、臨時でスタッフを増員し、当日に備えるという。

北京に住む友人の話では、各物流会社のその日の配達スピードは一般の日より早く、去年他の省で買ったGパンは僅か半日で手元に届いたという。これは、10日夜11時に購入したら翌日朝に到着するイメージだ。

実は5〜6年前の「ダブル11」の時は、それほど早くなかった。郡部に住む人であれば、注文した商品が二週間も届かないことも普通にあったという。

マンションの管理会社は、宅配ボックスの点検も行う。未設置の地域では、積極的に設置する動きが見られるようになる。ちなみに、中国国内の2020年市場規模は180億人民元(約3200億円)を突破することが見込まれている。

製造メーカーは、中国郵政速達易、豊巣、JD.com、Suning江蘇雲柜<CLOUDBOX>、日日順<RRS>)などだ。

各ネットショップは、自社の商品をアピールする広告も沢山出しまくる。
10月から、先行して「販売戦」を繰り広げるネットショップも存在する。「先行販売」は1回〜3回行われ、あまりにも人気の商品は、11月にも待たず、一回目にも全て売れてしまうものもあるという。

目立つKOLの存在

「ダブル11」で最も目立った動きをするのは、人気のあるKOLだ。
KOLとは「Key Opinion Leader(キーオピオニオンリーダー)」の略で、特に中国の消費者の購買意志決定に強い影響力を持つ、なんらかの専門性を持ったインフルエンサーを指す。KOLマーケティングとは、そんな専門性を持ったインフルエンサーを起用したマーケティング施策を意味する。

10月20日、有名KOLの李佳琦さんと薇娅さんのライブ配信を見た人は中国全土で4億8800万人に及んだ、2つのライブ配信(それぞれ12時間と14時間)の合計の売上高は189億人民元(約3300億円)に達したという。

李佳琦と薇娅のライブコマースは、ライバーと呼ばれるインフルエンサーがライブ形式で視聴者に商品を紹介しながら販売する形式。

ライバーの実演販売で、商品の説明を受け、視聴者はチャット画面を通じてライバーとリアルでコミュニケーションが取りながら、不明点をその場で解消することもできる。2020年にインフルエンサーによるライブコマース販売額ランキングで、薇婭さんは386億人民元( 約6800億円)でトップになり、李佳琦さんは252億人民元(約4500億円)で2位となった。

とにかく、ケタ違いのお金が動くのが、11月11日なのだ。

HelloNews編集部

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