オーナー向けイベント「コシガタリ60」レポート

神奈川県溝の口で大家業を営む越水隆裕さん主催の賃貸オーナー向けイベント「コシガタリ60」が2020年11月5日、新型コロナの感染防止対策が徹底された中で開催された。講師は、同じく神奈川で大家業を営む池上正芳さんで、「入居者満足度急上昇!おもてなし精神で、満室実現!」をテーマに、約60分間の講演が行われた。

写真提供:越水隆裕さん

池上さんは、新百合ヶ丘にある所有物件、百合ヶ丘池上マンションをブルックリンスタイルにリノベーションして満室経営を行っているノウハウをもとに、その秘訣を一つひとつ丁寧に解説した。

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オシャレな生活をイメージしてもらえるように

池上さんが大家業を本格的に始めたきっかけは、「入居者と直接コミュニケーションを取っている大家さんの事例を聞いた時です」と言い、「これまでは管理会社に任せっきりで、入居者と直接コミュニケーションを取っていいとは思っていませんでした。この事例を聞いてから賃貸経営にもやりがいはありそうだ」と考えたという。

そこで早速、自ら入居者とコミュニケーションを取っているオーナーや、入居者と多くの接点を持つ管理会社から話を聞き、入居者が喜ぶ部屋はどういう部屋か、どういう物件か、ということを考え、聞いた話を少しずつ真似していったそうだ。

「例えば、女性の入居者のためにエントランスに姿見を置いたり、室内に洗濯物干しを標準で設置したり、玄関にコートや帽子を掛けられるフックを付けたりしました。簡単にできることから始めてみたんです」(池上さん)

賃貸経営が軌道に乗ってくると、池上さんは全国賃貸住宅新聞に載っていたリフォーム会社とタッグを組み、ただの収納をオープン収納に変更したり、出窓のスペースにカウンターキッチンを設置したりし、総額180万円をかけてリノベーションした。すると、4万4000円だった部屋が6万4000円にアップしてもすぐに入居者が決まるようになり、リノベ費用は6年で回収できたそうだ。

また、池上さんはホームステージングも積極的に行い、「部屋を見に来た人に、ここに住めば生活がオシャレで楽しくなるようなイメージを持ってもらえれば」と話した。「例えば、ペリエの水を置くだけでも部屋の印象ががらっと変わるんです。なんかオシャレになるでしょ?」と笑いながら池上さんは言う。他にも部屋がオシャレになる小技として、洗剤を置くならラベルが英語で書いてある海外製のものがオススメだそうだ。ちなみに池上さんの所有物件には、間接照明やスピーカーも最初から設置しており、入居が決まっても撤去せずにそのまま入居者が使えるようにしてあるという。

ペリエを置くだけでオシャレな雰囲気に早変わり(写真はイメージです)

入居者とコミュニケーションを取るには

「入居が決まってからが賃貸経営の始まりかなと思っています。入居者さんが楽しんで生活してもらえるよう、できるだけコミュニケーションを取ることを意識しています」(池上さん)

そのポイントとして池上さんは「入居者さんにカギをお渡しする時がコミュニケーションを取る絶好のタイミングです」と言い、その際にLINEの公式アカウントに登録してもらっているそうだ。すると、設備の不具合があった時や騒音トラブルがあった時など、入居者から直接LINEが届くようになり、すぐに対応できるという。それが入居者の満足度アップにつながっていると池上さんは分析する。

このように入居者のことを考えてサービスを行っている池上さんだが、以前、所有している物件が退去ラッシュに遭ったことがあるという。その際、空いた一部屋を3時間100円でコモンスペースとして開放し、大型テレビでアマゾンプライムなどの動画サービスを無料で見られるようにしたり、ウォーターサーバーやお菓子を置いておいたりしたところ、利用希望者が集まり出したという。すると、週末だけこのスペースでカフェを開きたいという人が出てきたり、写真の展示会をしたいという人も出てきた。池上さんは今後、もっとこの場所を活用して色々な人と交流できる場にしたいそうだ。

コモンスペースで展示会を行った写真家に撮影を依頼した物件パンフレット

こういう取り組みは、日頃から入居者とコミュニケーションが取れている池上さんだからできる手法かもしれないが、池上さんは「他の大家さんの成功事例や空室対策を、自分の物件で実践してみることが重要です。私も先ほどお話しした入居者サービスは他の大家さんがやっていたことを自分なりの方法でやってみただけです。まずは色々なことを実際にやってみることが大事かなと思っています」と語り、講演を締めくくった。

Hello News編集部

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