<第4話>無名のヨガインストラクターがレンタルスタジオを経営してみたら

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トラブル勃発!セルフ内装工事(後編)

山口紘実(ヨガ講師・セルフ骨盤メイク主催)

1989年生まれ。2歳と0歳の母。20代でのインド放浪をきっかけに、ゆるく幸せに生きようと自営業の道を歩み、27歳の時に提唱した「骨盤メイク」というオリジナルメソッドで独立。2020年にレンタルスタジオ運営を開始し、現在はワークライフバランスを模索中。
骨盤お悩み相談室:http://kotsuban-onayami.com

神田駅徒歩1分にあるビルの一室を、ヨガスタジオとして契約しました。ところが、部屋の状態はまるで「闇金融オフィス」。ボロボロなうえに埃がいっぱいで、すぐにでも内装工事が必要な状態でした。そこで私は、全くの素人ですが初期費用をなんとか安く済ませたい一心で、「セルフ内装工事」することを決断します!約1か月半かけて行ったセルフ内装工事ですが、今回はトイレ工事やスタジオミラーの設置など一番大変だった工事のお話をお届けします!

メンタルが試されるトイレのセルフリフォーム

内装工事の中でも特に大変だったのは、トイレの工事です。トイレはビルの共用部なのですが、和式で不気味な雰囲気だったため(笑)、お客様にそのまま利用していただくのはちょっと気が引けます。そこで、ビルオーナーさんに許可を取って、トイレも自分たちで綺麗にリフォームすることにしました!

Before

和式で薄暗いトイレ、しかも男女兼用でした

始めは、「トイレは狭いし工事はすぐ終わるだろう」と思っていました。ところが、トイレットペーパーホルダーや小窓など、一つひとつにマスキングテープを貼る必要があるため、非常に手間がかかりました。

水を流すレバーなど鉄の部分には、「シーラー」という液体を下塗りしてからペンキを塗ります。シーラーを塗ると塗料の密着性が高まるので、ペンキが剥がれにくくなります。床に垂れたペンキが固まってしまうとボコボコになるので、大きめのブルーシートを敷いてから、ローラーと刷毛で塗装していきます。塗装が完了したら、床にクッションフロアを貼り、「簡易様式トイレ(リフォームトイレ)」と呼ばれる和式のトイレの上にかぶせて使える様式の便座を設置すれば、低予算でのトイレリフォーム完成です!

After

おしゃれな女子トイレに変身。窓も改造し換気も良くなりました

辛かったポイントは、「狭くて換気が悪い空間に長時間いること」でした。かなりメンタルにきます(笑)。そんな中、今回の内装工事をお手伝いに来てくれていた山田さん(株式会社オリエンタル・サン)は全く動じていない様子で…。トイレリフォームのほとんどを1人で黙々と進めてくれました。山田さんのメンタルは最強だと思いました。

人と人を繋ぐ山田さん

少し余談になりますが、度々登場する「山田さん」についてご紹介したいと思います。山田さんとはかれこれ5年ほど前、「なぜか色んな人を紹介してくれるおじさん」として知人の紹介で出会いました(笑)。

ボロビル再生人としても知られるオリエンタル・サンの山田さん

山田さんに「屋上でヨガイベントをやりたい」と話せば、いつの間にかビルの屋上を手配してくれていたり、「自分のスタジオなんて夢のまた夢だ~」と話していたら、レンタルスタジオ運営のアイデアや実際に物件の紹介をしてくれたりと、本当に色々なご縁をいただきました。最近では、なぜか北九州の町おこしにも携わっていたり、リフォームの経験も豊富で上手だったり、「山田さんの仕事って何だったっけ…」と忘れそうになりますが、本業は不動産屋さんです。そんな風にいつも人のお世話ばかりしているので自分のお休みが全くないそうです(笑)。今後のコラムにも登場すると思いますのでお楽しみに!

山田さんが手配してくれて実現した屋上ヨガ

鏡が超高額!事件

さて、話は戻ります。いよいよスタジオは完成に近づき、残すはスタジオの命とも言える「スタジオミラー」の手配のみ!

というところで、最大のハプニングが起こります。スタジオミラーが予想を大幅に超える超高額商品だったのです!5万円程の予算のところ、なんと30万~50万円の費用がかかるとのこと。この事実を知った夜は、本当にショックで眠れませんでした(泣)。

スタジオミラーのような大きいサイズの鏡は、専門業者へ特別発注するものらしく、どこに聞いても数十万単位が当たり前でした。ネットで色々なヨガスタジオを見てみましたが、大手のスタジオは専門業者へ発注したような立派なスタジオミラーが設置されています。個人経営のスタジオは、鏡がないヨガスタジオがほとんどでした。

「大きな鏡は高い」ということを、スタジオオープン間際になって初めて知ることになってしまい、今まで何も調べてこなかった自分の甘さに反省してしまいました。

「普通の姿見で並べて使えるものはないかな?」と調べてみましたが、通常の姿見はフレームがあるため並べて使うことができません。また、スタジオレッスンで使うには全身を映す必要があるため、高さが180センチは欲しいところ。そうなると、かなり大きなサイズになるので、やはり一般的にはなかなか販売していないのです。

でも、せっかくここまで低コストで抑えてきたのに、鏡に高額出費するのはどうしても踏み切れません。諦めたくない一心で、レンタルスタジオの先輩であるスタジオ「onda」のオーナー、としさんに電話をしてみました。すると、としさんは「私のところはネットで安売りしている鏡を買って使っているよ~!」と言い、何年も前の購入履歴を調べてネットショップのURLを送ってくれたのです。

その鏡がこちらです!

楽天ショップより

この情報を教えてもらえたおかげで、奇跡的に鏡の購入費用を抑えることができました。 

ちなみに鏡を配達してもらう際、お店側からは「エレベーターがないと、ビルの入り口で受け渡しになります」と案内を受けました。巨大な鏡を4枚(5階まで4往復)、何人かで気合いで運ぶ覚悟をしていましたが、当日になったら配送業者の人がとても優しい人で、ご好意で5階まで運んでくれたのです。本当に本当にありがとうございました。鏡が全部到着した時には「バンザーイ!」と大きな声で叫びました!

鏡が届いて大喜び

セルフ内装工事の動画はこちら

セルフ内装工事にかかった費用

実際にセルフ内装工事をやってみた感想

自分たちで内装工事をしたので、工事費は材料費のみで済んだ部分がほとんどです。全ての作業を専門業者にお願いすると、今回のような内容であれば約100万円はかかるそうです。

毎日汗まみれで作業をした1カ月半は、まるで文化祭の準備みたいで、当日居合わせたメンバーとのお昼ご飯休憩が1番の楽しみでした!セルフ内装工事は、汗とペンキで泥だらけになるし、根気のいる作業ですが、完成した時の感動は想像以上に大きなものです。スタジオにとても愛着が湧きました。そして、今でもお客さんや友人と会う度に「スタジオの壁、先生が自分で塗ったんですよね!」と話題にしていただいています。

次回はいよいよスタジオオープンです!コロナ禍のため動画制作会社とコラボして開催したオンラインオープニングイベントのお話です!お楽しみに。

ヨガインストラクター 山口紘実

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