<第5話>無名のヨガインストラクターがレンタルスタジオを経営してみたら

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レンタル運営開始!チアダンスで騒音トラブル!?

山口紘実(ヨガ講師・セルフ骨盤メイク主催)

1989年生まれ。2歳と0歳の母。20代でのインド放浪をきっかけに、ゆるく幸せに生きようと自営業の道を歩み、27歳の時に提唱した「骨盤メイク」というオリジナルメソッドで独立。2020年にレンタルスタジオ運営を開始し、現在はワークライフバランスを模索中。
骨盤お悩み相談室:http://kotsuban-onayami.com

神田駅徒歩1分にあるビルの一室を、ヨガスタジオとして契約しました。ところが、部屋の状態はまるで「闇金融オフィス」のよう。ボロボロなうえに埃がいっぱいで、すぐにでも内装工事が必要な状態でした。そこで私は、全くの素人ですが初期費用をなんとか安く済ませたい一心で、「セルフ内装工事」することを決意!スタジオの内見からたった1カ月でセルフ内装工事を完成させました!今回はレンタル運営のスタートアップについてお話しします。

レンタル運営開始!ポータルサイトで集客

ヨガスタジオが完成したものの、レンタル運営に関して全くの素人です。レンタル運営開始にあたり、まずは集客方法を考えなければいけません。

試しに検索エンジンで「神田 レンタルスタジオ」と検索してみると、トップに出てくるのは「インスタベース」や「スペイシー」というレンタルスタジオのポータルサイトでした。これらのサイトは登録も掲載も無料だったので、両方のサイトに登録してみることにしました。

でも、登録してびっくり!なんと成果報酬が毎回35%もかかるとのこと。スタジオレンタル料金を1時間2000円に設定したとすると、こちらの取り分はたったの1300円ということになります。

高額な手数料に変な汗が出ましたが、逆に良い意味で驚かされたのはその集客力でした。掲載してものの数時間で、なんと2件も予約が入ったのです!

ちなみに各サイトとも、それぞれGoogleカレンダーと連動することはできますが、インスタベースとスペイシーを連動することはできないため、予約管理を自動化するために最終的にインスタベースのみ利用することにしました。

幅広い用途に対応できるよう備品は最小限に

チアダンスで騒音トラブル!?

せっかくいただいた予約です。レンタル運営の右も左も分かりませんが、まずはやってみようと思い、その予約を受け入れました。

初めてのお客様は「チアダンスの自主練」。何も問題ないと思っていたものの、レンタル当日、たまたまビルに居合わせた山田さんから電話がありました。

「やばい、けっこうチアダンスの音が大きい!これは他のオフィスからクレームが入るかもしれない!」

平日の午後4時、オフィスにいる人たちは、まだまだお仕事をされている時間でした。私はヒヤヒヤしながら、「どうか他のオフィスからクレームが入りませんように」と祈りながら、チア練が終わるのを今か今かと待っていました(笑)。幸い、クレームは入りませんでしたが、すぐにインスタベースの募集の掲載情報に、「音に関する注意書き」を追加する必要がありました。

ダンスの需要を諦める

一般的に、鏡のあるスタジオの主な需要は2つです。ひとつはヨガやピラティスのレッスンで、もうひとつがダンスレッスンです。ダンスレッスンの需要を諦めることはとても残念でしたが、同じフロアにオフィスがあることやシューズの利用を禁止にしたかったため、止むを得ず「ダンスでのご利用は禁止(音の出るご利用やシューズの利用は禁止)」とさせていただきました。

私自身、それまでレンタルスタジオを借りてレッスンを主催していたので、シューズOKのスタジオとシューズ禁止のスタジオの違いを知っています。

ヨガマットを敷いてレッスンをするので、顔がかなり地面に近づくことがあります。すると、いくら室内シューズとはいえ、シューズOKのスタジオは床が傷ついていたり、埃っぽいのがよくわかってしまうのです。

せっかく予算を割いてスタジオミラーを設置したのにダンスレッスンの需要を諦めることはもったいなかったですが、「裸足でのご利用」の方に対し、「シューズ禁止の綺麗なスタジオ」という価値を提供しようと考えました。ちなみに、裸足で行うベリーダンスや空手などはOKにしています。

2件目のご予約は「能」のお稽古。騒音トラブルになりかけたチアダンスの一件もあり、「能のお稽古での発声練習も音量的にまずいのでは…」と焦り、大変恐縮ながらすぐに連絡して、ご予約をキャンセルしていただいたのでした。

スタジオの需要

当初、レンタル運営を始める前は、お客さんは「ヨガの先生」がほとんどだろうと思っていました。実際に始めてみると、この1年間で、本当に多様多種の方にご利用いただきました。

ヨガレッスン・ピラティスレッスン・パーソナルトレーニング・空手・キックボクシング・着物の着付け・ウォーキングレッスン・プロフィール撮影・YouTube用撮影・などなど。

「壁の淡いパープルカラーが可愛い!」と皆さんに言っていただき、本当に塗装を頑張ってよかったと思いました。

スタジオをオープンから4カ月目で少し軌道に乗り始め、2021年1月の緊急事態宣言で売上がゼロに。その後、3カ月程かけて売り上げが回復してきたような感じです。集客は9割がインスタベースから、1割が知人やご紹介です。

この数字だと「レンタル運営事業」の売り上げとしては微々たるものですが、「自分が使わない時間をレンタル運営して家賃に当てる」としてはそれなりに機能していると言えそうです。運営を続けるほどリピーターも増えていくし、スタジオの掃除や手入れを頑張れば、きちんと成果が出るのが、スタジオ運営の面白さだと思いました!

次回はスタジオ運営についてもう少し詳しくお話ししていきます。

ヨガインストラクター 山口紘実

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